匠の相駕籠

ソフトウェア開発会社の日常とオピニオン - メメントモリ公式ブログ

仕事に行き詰まりを感じる瞬間

将棋棋士、升田幸三氏(1918〜1991年)が残した次の言葉を知った。

君の将棋は今、行き詰まっている。

でも、それがいいんだ。

中途半端に活躍するよりいい

 

人生において、仕事において、行き詰まりを感じない瞬間というのは、正直にいうと気持ちが良いものだ。

何もかもうまくゆく幸福感。

いま自分の持っている力だけで、物事が解決していく。

 

ある日、壁にぶつかって、物事がうまくいかなくなる。

今まで自分がやってきたことは何だったのかと、自身をなくし、かっこ悪いし、できればそんな道を避けて進めたらなと思う。

 

それは人の自然な心の働きだと思うが、それに支配されては行けないなと思う。

 

私はソフトウェアの開発を仕事にしているが、これは日々新しい技術が登場する。そして今ある技術だけに限ったとしても、その領域は到底ひとりの人間が学びきれる量じゃない。

結局、人生を通して、ほとんどの場合は自分が知らないことのほうが多くて、それを、学び続けて、実践できるかということになる。

 

 

いま私が取り組んでいる仕事も、新しい技術領域について勉強しながら仕事をしている。他の技術と似通っているところも多いので、まったく今までやってきたことが通じないというわけではないが、それでもできないことを、できるようにならなければ仕事にならない。

 

壁を感じる瞬間は、常日頃からあると思うが、最近、壁を感じる瞬間を、できるだけ嬉しいことであると思うようになってきた。

それは自分の知らないことや、分かっていなかったことが明確になったチャンスなのだ。それを指摘してくれた人がいたとしたら、なおさらラッキー。

 

わかりません、と正直に言うの恥ずかしい。普通はプライドが邪魔をする。

 

たぶんこれは歳をとるほど、大きくなると思う。

「え、10年もエンジニアしてて、こんなことも知らないの?」

「え、30年もエンジニアしてて、こんなことも知らないの?」

 

30年後も、ちゃんと人に教えを請えるような、謙虚な人間でありたいと思う。