読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

匠の相駕籠

メメントモリ公式ブログ

「ないない症候群」について

いつ頃からか、私が「ないない症候群」と呼んでいるものがある。

 

いや、まだこの準備ができていないから、それはできない。

いや、まだ知らないことだから、それはやれない。

いや、まだ返事がないから、これは取り組めない。

 

できない理由から始まって、自分の主体的な行動を制限してしまう症状だ。

 

例えば、実際に私がやってしまったケースだが、昔「Hinata」という自社の Web サービスを開発していた。これは Confluence、Qiita: Team、esa.io などと競合する製品で、企業向けの Wiki システムとして制作していた。

開発と運用は、4年程度行ったが、2年ほど前に閉鎖した。

 

これに関しては、いろいろと反省していることはあるのだが、原因のひとつには、先述の「ないない症候群」があった。

 

とにかく「Hinata」は、できてないものが多かった。

全てのパーツを、手作りしようとし過ぎていて余計に時間がかかり過ぎていた。サービスの開発は、収益が立つまでに時間がかかるため、基本的には、すぐお金になる受託案件と並行作業となる。

一日に作業できる時間は、1〜2時間が限度になる。

もっとスピードにシビアになるべきで、拘るべきではない細部は最初から捨てる必要があったのだ。

 

時間がかかり過ぎていたのもあるし、機能が不足していたため、私はこのサービスを人に見せることを、かなり躊躇ってしまうことが多かった。

 

これは足りてないから見せられない。

結局それは、必要なフィードバックすらも受けられない状態を作り出していた。

 

 

人ひとりで出来る範囲なんて、非常に限られている。

個人の力を蔑ろにしているわけではない。

大きなものを作るには、必ず人の手を借りる必要がある。

 

 

自分の中に、このラインを超えるまでは、この行動をしてはいけない。という基準を持っている人は、「ないない症候群」の疑いがある。

 

私は、30年生きてきて、ようやく気がついた。

皆、ほとんどの場合、このラインを高く設定しすぎている。

 

何事も、最初から全て揃っていることはない。

不足している状態から始まって、自分はそこで何かをしなければいけない。

 

 

このことを最終的に私に気づかせてくれたのは、福岡でソフトウェア開発をしている 花田恒一 さんいう、当時、学生だった方だ。

彼とは、たびたび勉強会で顔を合わせたが、会うたびに彼は何か新しいものを作っていた。それが、ちょっとしたコード片であろうが、ちょっとしたデモンストレーションアプリであろうが関係ない。

どんな状態であってもかまわない、とにかく人に見せまくっていたと思う。

 

準備ができていないというケースは、実はほとんどないのだ。

いまこそが、本当に動くべき瞬間だ。