匠の相駕籠

ソフトウェア開発会社の日常とオピニオン - メメントモリ公式ブログ

成長しないチームについて思うこと

ある開発プロジェクトの話。

 

ソフトウェア開発のプロジェクトでは、

その開発が終わったあと、

進行上どういった問題が発生し、

どうすればよかったのかを検討する、

「振り返り」という作業をするのが一般的だ。

 

私が非常に破綻した開発プロジェクトに関わったとき、

その後、例によって「振り返り」が行われた。

 

全員それぞれがたくさんの問題点と改善策を上げた。

 

ここはいい。

 

私はふと気になって、

その開発チームが数年前に関わったプロジェクトの

「振り返り」の資料に目を通した。

 

目を疑ったのは、

数年前に作られた「振り返り」の資料に書かれている内容と、

いま終わったばかりの「振り返り」の資料で、

ほぼ同じ問題点と改善策が並べられていたのだ。

 

つまり5、6年も前から問題を認識しているのに、

実際に開発を始めると、

なぜか同じような方法で進めてしまう。

そして、同じような失敗を続けてしまう。

 

私はこれを成長しないチームと言っている。

 

成長しないチームでは、

自分も前に進んでいる気がしない。

もちろん自分自身が、

成長しないチームを構成する一人になっていないか気をつけよう。

 

 

なぜ成長しないのか、

なぜ同じ誤ったやり方を繰り返してしまうのかは、

いろいろ複雑でプロジェクト固有の問題もあると思う。

 

でも「あ、このチームはまた同じ失敗を繰り返すな」と

感じるときがある。

独特の臭みのようなものを感じ取るときがある。

このときには、十分に注意したいと思う。

 

 

その傾向の一つは、

「振り返り」で問題点を列挙して、

それの改善策をまとめて、

もうこれで次は安心だねという「空気」が流れてしまうこと。

 

実際には次のプロジェクトが始まると同時に、

みんなが作業に没頭しはじめて、

同意したはず(同意したよね?)の問題点と改善策を、

頭から追い出してしまう。

 

誰も面倒な問題に積極的に取り組みたいとは思わない。

 

自分以外の誰かが、

改善策を実施してくれるだろうと期待して、

そして、全員が頭のなかからそれらを忘れ去ってしまうようだ。

 

 

もう一つの傾向は、

反省にとことん時間を使ってないことが多い気がする。

問題点の列挙にも、改善案の検討にも、

実際はほとんど時間が割かれていない。

(ある一日、または次のプロジェクトの谷間に、

 長時間のミーティングが設定されるだけ)

 

 

反省というのは、とことん

自分たちを追い詰める作業なのではないだろうか。

 

 

自戒を込めて言いたい。

あるプロジェクトの問題に絶望していたとして、

それが過去の行動を繰り返しているだけだとしたら、

こんなにもったいないことはない。