匠の相駕籠

ソフトウェア開発者の日常とオピニオン - メメントモリ公式ブログ『匠の相駕籠(たくみのあいかご)』

ともに道を迷う

自分がどういう道を進むとよいのか迷っている人に、こちらの道が良さそうだよと伝えても、なかなかうまくいかない。人を動かすというのは難しい。

 

そんなときは一層のこと、迷っている人と一緒に道を迷ってやるのが良いと言った人がいる。それは私にとって、なかなか心に響く言葉だった。

 

他人事を自分のことのように思うというのは、多くの人にとって難しいことだ。自分のことが最もかわいいと思えば、自分の得にならなければ、それはただ見過ごせばいい。

 

一緒に迷ってやるというのは、同じ立場で、同じ苦しみを分かち合うことになる。

 

 

ここ最近、その言葉を反芻していて、私が尊敬していた上司のことを思い出した。私が社会人になったときに、仕事の仕方、作法などをすべて教えてくれて、長い間、その人のやり方が、そのまま私のやり方、モデルとなっていた。

 

ある日を境に、その方とは袂を分けたままだ。

 

誰にでもあることだが、私は道を見失い、苦しんでいた時期があった。そのとき、その上司は、私と一緒に考えてくれることはしなかった。

  

甘えた話かもしれないが、それが道を分けた決定的な原因だったと思う。

 

 

上司から教わった仕事の作法は、ある種のトラウマのようなもので、長いこと私に染み付いていた。それが多くの場合は、私を助けてくれたけど、少なくない場面では、いろいろな人を毀損してきたと思う。

 

そのトラウマは、最近ではかなり消えてしまった。いまは、もっと違うやり方を自分なりに模索できていると思う。

 

昔話で、話が横道にそれてしまった。

私は助けてあげたい人と、できるだけ一緒に道を迷ってやるような高尚な人に憧れる。ぜひ自分もそのようになりたいと願う。

 

そしてこの方法は、自分ひとりでは見つからない道に気がつくための手段でもある、と思っている。