匠の相駕籠

ソフトウェア開発者の日常とオピニオン - メメントモリ公式ブログ『匠の相駕籠(たくみのあいかご)』

ネットのことを理解する本

カドカワ代表取締役、ドワンゴ取締役CTOの川上量生氏の著書『鈴木さんにも分かるネットの未来』という本を読んだ。

 

実は読んだというのは、1年前くらいの話。なんとなく先程、この本のことを思い出したので、1年遅れの書評となる。

『鈴木さんにも分かるネットの未来』は、具体例を元にして、ネットの世界の本質を説明している書籍で、私はネットでビジネスをする人は、この本に書いてあることを理解しておくべきだと思う。

 

どういうことが書いてるのか。思い出してみると、ネットを理解する上でわたしが役に立ったことが2つ書いてあった。

 

  1. ネットには、そこで生活しているネット住人がいる
  2. ネット世論(ネットの中の声)は、どうやって作られるのか

 

 

前者については、自分がネット住民であるという人には容易に理解できるだろう。インターネットの中に、自分の居場所があって、そこが現実世界と同じ、もしくはそれ以上に大切な空間としている人たちのことだ。

文字通り、ネット住民は、ネットの世界に住んでいる。

 

ネット住人と、そうでない人々の間には、隔たりがある。現実世界よりもネットの世界のほうが大切だという人がいることを知らない、理解できないのが、ネット住民ではない人の特徴だ。

 

 

後者については、ネットの世界ではいわゆる「一人一票」という考え方が成り立たないことを解き明かしている。ネットの世界では1人が何十人、何百人という役割を果たすことが可能である。

ネットでは、なりすましによって、人気や盛り上がりを偽装することがとても簡単で、実際にそれは多く行われている。

 

ネットで影響力を発揮できるのは、ネットの中で声が大きい人であり、それは長い時間をネットの中で過ごしているネット住民である。ネット世論を構築するためには、ネット住民のことを考えなければならない。

 

 

川上量生氏は、もともとこの本のタイトルに『ネット鎖国論』を検討していたらしい。詳しくはちゃんと読んでいただきたいけれど、インターネットをある程度、統制する必要性があるのではないかという問題提起もある。

わたしが書いた以外にも、もっと興味深い分析もあって、とても面白い本です。