匠の相駕籠

ソフトウェア開発者の日常とオピニオン - メメントモリ公式ブログ『匠の相駕籠(たくみのあいかご)』

映画『メッセージ』の感想と、ちょっとした話

昨日、こどもたちと何気なくテレビを見ていたときのこと。

 

両親が出かけたあとに、留守をしていた五人兄弟がクマ(熊)狩りにでかけるというストーリーのアニメがあって、それを見ていた。クマ狩りといっても、兄弟の長男は10代後半といったところで、一番下の子どもはヨチヨチ歩きの赤ちゃんだ。どんな展開になるのだろうと、すこしハラハラしていた。

 

冒険のすえに、兄弟の1人の女の子(10歳位?)が、洞窟の奥でクマ(妻に確認したところ、これはグリズリーらしい)に遭遇する。その女の子とクマは心を通わせ(?)、一緒に仲良くひとときを過ごす。

 

しばらくすると長男がそれを発見して、大慌てで女の子とその他兄弟たちを家まで連れて帰ってくる(まぁ、グリズリーですから、そうですね。)。クマは途中まで追っかけてくる。引き剥がされた女の子も、誤解を解くために泣き叫んでいる。

 

お話はだいたいこれでお終い。

 

 

これはいったいなにを意味するお話なんだろう。熊の恐ろしさを知らない女の子に、それを諭すお話? 人はクマを恐れているけど、実は人とクマは仲良くなれるんだよというお話? (しかし、実際にはやはりクマは危険だろう)

 

 

都市伝説らしいのだけど、次のような話を聞いたことがある。

 

アメリカ大陸を発見した冒険家が、

お腹にフクロのある動物を見つけた。

原住民のインディアンに、

「あれはなあに?」と聞いたところ

「カンガルー」と答えたそうだ

 

カンガルーは、

インディアンの言葉で、

「なにを言っているのかわからない」

という意味らしい 

 

その後の歴史で、インディアンは侵略を受けた。

 

 

 

先日、『メッセージ』という映画をレンタルで観た。ずっと以前に、友人からこの映画をオススメされていたのだけど、ようやく観ることができた。

 

(※以下、ネタバレを含みます)

 

実は、上記のカンガルーの話は『メッセージ』の中で紹介される逸話だ。

 

この映画は、地球に突然現れた巨大なオブジェクト。その中には宇宙人がいる。人の言葉を話さない彼らに対して、ある言語学者がコミュニケーションを取って、彼らの地球に来た意味を探るというストーリーだ。

 

理解できない相手に対して、恐怖を抱き、人類は侵略を受けていると思ってしまう。戦争となってしまうのか、融和が可能なのか。

 

 

いくつか面白いポイントがあった。

 

先程のカンガルーの話。映画を見ている私たちも、宇宙人がどういう目的で、地球にやって来ているのかわからない。その分からない相手、自分たちよりも明らかに高度な技術と武力をもつ相手に、辛抱強く対話するのか、それとも対立するのかを迫られる。

 

もう一つは、ネタバレになってしまうが、宇宙から来た彼らは視覚言語(文字)を操る。彼らとコミュニケーションを試みる言語学者は、コミュニケーションのさなかに、彼らの視覚言語を体得する。

 

サピア=ウォーフ仮説というらしいのですが、その人が使う言語によって思考が決まるという仮説があるらしい。マルチリンガルの人には、すこし身に覚えがあるかもしれません、例えば日本人が英語を話すようになると、英語を話しているときは、とてもオープンな性格になり、声が大きくなるという人もいるらしい。

 

それを飛躍させたような話で、宇宙人の言語を学んだ言語学者は、彼らの思考を身につけることになる。その思考というのが、「時間の跳躍」という能力で、彼女は未来を見通すことができる力を手に入れる。

 

ちょっと、このあたりは言葉で説明が難しいですが..。

 

映画の後半、言語学者は未来を見る能力を手に入れるため、一種のライムリープもののような時系列がグチャグチャした映像が展開されます。タイムリープものが好きな人は、たぶんこの感覚が好きだろうなという気がします。映画『インセプション』を観たときも、こんな感覚だったなと思い出しました。

 

 

だいぶ長くなってしまいましたが、あと一つは、言語学者は、自分の子どもを無くしてしまったお母さんです。子どもとの思い出が、随所に挿入されるのですが、それが親としての私には、色々と感じるところが多かったです。