匠の相駕籠

ソフトウェア開発者の日常とオピニオン - メメントモリ公式ブログ『匠の相駕籠(たくみのあいかご)』

『Critical Chain(クリティカルチェーン)』について

エリヤフ・ゴールドラット著の『Critical Chain(クリティカルチェーン)』を読み終えた。

 

わたしは以前、コンソールゲームの開発会社で働いていたことがある。たいていの人は、ゲーム会社で働いていたというと、ひどい残業や、寝袋で会社に寝泊まりしているようなイメージを持っているらしく、あなたもそうだったの?と聞かれる。

 

イエス。

わたしももれなく、ひどい残業と会社での寝泊まりを経験した。

 

それはプロジェクトのひどいスケジュール遅延などが大きな原因となるのだが、そのひどいスケジュールの遅れがどこからやってくるのか全然わからなかった。

 

ある時、ウェブシステムを開発しているプログラマーの知人から「なぜゲーム開発は、そんなにひどいスケジュールの遅れが発生するのか?」と聞かれたことがある。そのとき、わたしはすこし考えたあとでこう答えた。

 

「ゲーム開発は仕様が決まってから作り始めるわけではありません。作りながら仕様変更を繰り返し、走りながらゴールを探しているような状態になるので、スケジュールを思った通りに組み立てられません」

 

しかしウェブシステムでも、作りながら仕様が固まっていくということはよくあるし、 ゲーム開発をひどく難しくしている本当の理由がこれなのかは、よく分かっていなかった。

 

 

わたしはゲーム開発に関わらなくなってしばらく経つけど、どういう方法でやれば、大規模なゲーム開発をうまくやれるのか、全然答えが見つからなかった。

 

 

『Critical Chain(クリティカルチェーン)』では大規模なプロジェクトがなぜ遅延していくのかを論理的に展開している。正直にいって、この本かなり難解で、特に後半については、私はよく内容を飲み込めていない。

 

しかし、はじめて、ゲーム開発でひどいスケジュールの遅延が起きていた理由が、論理的に説明されている本に出会ったような気がした。

 

 

『Critical Chain(クリティカルチェーン)』は、特にスペシャリスト(特定の個人)にしかできない仕事が、制作のライン上にあると、プロジェクトの進行管理がどんどん難しくなっていく理由を説明している。スペシャリストに依存するところが多いという特性は、ゲーム開発に特に当てはまる。

 

たぶんこの本はすごく有意義な本だと思う。ソフトウェア開発のプロジェクトが、非常に遅延する理由について、おそらくすべて説明されているのではないかという気がする。

 

重要なのは、本当に理解して、それを使いこなすことができればだけど!

 

 

難解な本なので、一回読んだだけではまだ咀嚼できていない。これから何度か繰り返し読んで、うまく使えるようになれたらなと思う。